『2018年3月期第3四半期決算』に関する記事が投資経済4月号に掲載されました
2018年3月16日
Jトラスト株式会社
金融3事業は好調
Jトラストが2017年度第3四半期業績を発表した。今期から国際会計基準を採用しており、営業利益は26億円。前年同期から64.7%の減少である。そして、通期見通しの営業利益を期初の100億円から28億円と下方修正した。この修正の要因ははっきりしている。業績の詳細を事業別に見てみよう。
2016.3Q | 2017.3Q | 2017通期 | |
国内金融事業 | 40 | 34 | 43 |
韓国金融事業 | 19 | 30 | 35 |
東南アジア金融事業 | ▲34 | 11 | 10 |
投資事業 | 77 | ▲27 | ▲24 |
非金融事業 | 1 | ▲4 | ※▲15 |
その他 | ▲27 | ▲18 | ▲25 |
合計 | 76 | 26 | 24 |
GLなかりせば・・・
問題は投資事業である。同社が発行済み株式の6.43%および簿価で約200億円の転換社債(CB)を保有する、タイGL社の株価が急落。株式で47億円の減損とCBを区分変更した金銭債権で17億円の貸倒引当金を計上した。 Jトラストは期初に通期営業利益見通しを100億円としていたが、アドアーズ売却による除外分10億円、投資事業の下方修正分49億円などから、24億円へ下方修正した。第3四半期に26億円の営業利益をあげていながら通期で24億円となるのは、東南アジアで簿価修正損が見込まれるためである。 第3四半期まで国内、韓国、東南アジアの金融3事業の営業利益は75億円。前年同期比で50億円の増益で、計画以上の進捗となっていた。それだけに投資事業の下方修正が痛い。 タイではGLに対する会社更生法を申請した。金銭賠償、事業譲渡などの結末が予想されるが、解決までにはかなりの時間がかかりそう。狙っている東証一部上場も延期となりそうだ。 Jトラストはこれまで高いリスクを取って成長を続けてきた。GLの件もその一例だ。長期で見れば金銭賠償なら損失減少、事業譲渡は拡大要因となり、必ずしもマイナス要因ではない。本件に関するお問い合わせ先
Jトラスト株式会社 広報・IR担当