経営方針
「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」のビジョンのもと、景気動向に業績が左右されることがないように、銀行業、債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスを目指してまいります。収益モデルにつきましては、既存の事業ポートフォリオの価値や将来性を徹底的に見直すことにより収益構造の改善を図ってまいります。今後はこの方針をさらに加速させ、聖域を設けることなく、事業ポートフォリオの価値を見直し、新たな成長戦略を構築することにより、株主価値の最大化に努めてまいります。さらには、コンプライアンスやガバナンスを第一に考えた経営を基軸におき、お客様に付加価値の高い金融サービスを提供するなど地域とともに共存共栄で発展していく企業体を目指してまいります。
中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
(日本金融事業)
当連結会計年度に引き続き、信用保証業務、債権回収業務及び証券業務を中心に収益の確保に努めてまいります。
信用保証業務では、アパートローン、海外不動産担保ローンの保証や前払金保証サービスを中心に推進してまいります。
アパートローンでは更なる成長を目指し、新築アパートローンの取り組み強化、中古アパートローンの市場シェア拡大等を行ってまいります。
また、海外不動産担保ローンでは、商品改定や審査基準の見直しによる条件の最適化等を行ってまいります。
信用保証業務における主要な課題、対策は以下のとおりです。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| アパートローンに対する保証事業 |
|
|
| 海外不動産担保ローンに対する保証事業 | ・新規獲得機会の逸失 |
|
| その他 | ・AI導入による業務プロセスの高度化 |
|
債権回収業務では、円安などによる物価高騰や借入金利上昇の影響により、債務者の経済基盤に負の影響が及ぶこととなれば回収の減少に繋がる可能性もあります。なお、債権買取価格については、昨今の入札並びに落札状況では、一部案件において若干の下落傾向はあるものの、特に大きく変動しておりません。当社グループが債権買い取りを行っている主な会社は、そのような状況下でも売上が増加しているネット系のカード・ショッピング債権等が多く、今後も高い回収力を背景として安定的・継続的な仕入れを実現し事業拡大を図ってまいります。
今後も債務者状況の把握、月次で期末業績の着地を予測し、未達が予測されれば即座に修正対策を講じてまいります。
証券業務では、国内は新NISAを契機に投資家層が拡大する一方、ネット証券を中心とした価格競争が継続し、従来型の取引ビジネスは競争環境が一段と厳しさを増しております。
さらに、富裕層を中心に資産保全・資産成長を重視したアドバイザリーへのニーズが高まり、外貨建て商品・債券・オルタナティブ等を組み合わせた分散投資や資産全体の最適化に対する期待が一層強まるなど、顧客志向の変化にも的確に対応する必要があります。
加えて、東証グロース市場の上場維持基準見直しに伴い、企業側では資本政策や上場戦略の再検討が進む一方、金利環境の変化や関税政策を含む海外情勢の不確実性の高まりにより、市場変動や顧客行動の変化が生じやすい局面にあることも、計画推進における重要な外部要因となっております。
こうした環境下において計画の達成に向けて、「規模に依存しない差別化」と「収益源の多様化」を中核に据え、以下のとおり、重点施策を推進してまいります。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 経営全般 |
|
|
| 引受・投資銀行業務 | ・投資銀行機能による収益成長の実現 |
|
| ウェルスマネジメント | ・ウェルスマネジメントの本格稼働 |
|
| その他 | ・プロダクト・サービスの提供体制強化ほか |
|
(韓国金融事業)
当連結会計年度に引き続き、銀行業における貸出金の増加による貸出金利息の増加を見込んでおります。
韓国経済におきまして、基準金利が2025年5月に2.5%まで引き下げられたことにより、調達金利の低下に伴う営業利益の改善も見込んでおります。
他方、韓国全体でコロナ禍以降、延滞債権や、個人回生・信用回復が増加の傾向にあることや、貯蓄銀行業監督規程が改正され、貯蓄銀行の健全性管理の強化を目的とする多重債務者に対する貸倒引当金(損失評価引当金)の追加引当基準の適用など厳しい状況が続いております。韓国金融事業における主要な課題、対策は以下のとおりです。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 収益確保に向けての対策 |
|
|
債権回収事業におきましては、コロナ禍以降、売却制限が継続しており、こちらも厳しい状況にありますが、これまでに培った高い回収力と遵法性を背景に事業拡大を図ってまいります。
(東南アジア金融事業)
当連結会計年度に引き続き、銀行業における貸出金の増加による貸出金利息の増加を見込んでおります。
東南アジア金融事業は、2022年12月期から4期連続で営業黒字となっておりましたが、翌連結会計年度は、インドネシア国内経済の低迷の影響を受け営業赤字となる見込みです。
Jトラスト銀行インドネシアでは、収益確保のため、コーポレートやコマーシャルを中心とする積極的な貸出残高の増強、NPL(不良債権)比率の低下による貸倒費用の削減、COF(調達金利)の低下、CASA(流動比率)の増加を主要課題としております。
マーケティング活動として、様々な預金プログラム等を通じた新規預金口座開設の促進により更なる収益拡大に繋げてまいります。
また、日本の地方銀行の取引先事業者でインドネシアへ進出中、又は進出を予定している取引先をJトラスト銀行インドネシアへ紹介する業務提携契約を4行と締結しております。新首都移転が計画されており、今後40年以上にわたり人口ボーナス期に入ることが予想されているインドネシアにおいて、それぞれの経営資源の相互活用をすることにより、海外進出事業者の企業価値を高めるとともに、インドネシアの経済発展に寄与するものと考えております。
Jトラスト銀行インドネシアにおける主要な課題、対策は以下のとおりです。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 貸付債権の積み上げ | ・収益基盤の強化 | ・貸出増強に向けたミーティングをビジネス部門と日次実施、ビジネス/審査部門の連携強化により体制を見直し、不良債権リスク低減を図りつつ金利収入を最大限享受するため積極的にローン残高、社債残高の積み上げを図る |
| 自己資本の拡充 | ・規制改正に伴い、インドネシア金融庁(OJK)が自己資本比率11.0%(規制上の基準値)の達成を要請 |
|
| マーケティング活動、流動性の確保 |
|
・新規預金口座獲得を積極推進 ・各種預金プログラムの実施:
|
債権回収業務におきましては、債権の新規買取を強化するとともに、債権回収についても、回収困難債権に対する掘り起こしの強化等により収益確保を図ってまいります。インドネシアでは、近年、急速な人口増加と都市化によって不動産価格と需要が上昇する中、不動産市場規模が拡大が続いており、不動産市場は最も好調なセクターのひとつとなっております。そのため好調な不動産市況を背景に債権売却市場も活性化しており、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIAでも債権回収事業は順調に推移しております。
回収金額の最大化を図るための主要課題、対策は以下のとおりです。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 新規買取 | ・債権の新規買取強化 |
|
| 回収 | ・法的回収の強化等 |
|
Jトラストロイヤル銀行では、引き続き富裕層顧客を主な基盤とし、RM(顧客担当)と顧客との強固なリレーション力による貸出並びに運用提案により他行との差別化を図るとともに、ニーズを汲み取った商品開発やデジタル対応にも注力していく方針であります。
Jトラストロイヤル銀行における主要な課題、対策は以下のとおりです。

| 項目 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 収益確保 | ・積極的な不良債権管理 |
|
| リスク管理 | ・リスク管理と資金調達効率の強化 |
|
| 投資 | ・投資の最適化 |
|
(不動産事業)
金利動向や不動産市況の変化が、仕入価格及び販売環境に影響を与える中、エリア別需給動向や顧客ニーズを的確に捉えた物件選別を徹底いたします。
さらに、総合不動産会社としての強みを活かし、分譲・収益不動産・クラウドファンディング等、各事業間を横断したブランド戦略を推進いたします。
物件品質と実績を軸とした情報発信を強化することで、エンドユーザー及び投資家からの認知と信頼性向上を図ってまいります。
また、Jグランドにおいては、当連結会計年度に不動産特定共同事業許可を取得し、クラウドファンディング事業展開も開始するなど、投資家層の更なる開拓を図っております。さらに事業規模の拡大のため、専任の販売担当者を置き、富裕層顧客への資産管理を含めた提案型販売を行うことにより、富裕層顧客の増加及び長期的な信頼関係を構築してまいります。
(投資事業)
当連結会計年度に引き続き、これまでの投資事業からの収益の確保に努めるとともに、Group Lease PCL に対して行った投資資金の回収に努めてまいります。
なお、Group Lease PCL 及びその経営陣に対する債権につきましては、すでに全額引当を行っていることから、回収がなされる都度収益計上されます。
当社グループは、株主の皆様への利益還元の充実と、資本効率の改善を通じた持続的な企業価値の向上を重要な経営課題と認識しており、自己株式の取得及び消却については業績や資本政策、株価など市場環境等を考慮して実施することとしています。当連結会計年度において、株主の皆様への更なる利益還元と、資本効率の向上により、適切な株主価値の実現を図ることは勿論、当社が目指す次期TOPIX構成銘柄への組み入れ実現を目的として自己株式の取得及び消却を行っております。また、2026年12月期の年間配当ににつきましては、1株当たり1円増配の期末17円の予定であります。今後も企業価値を高め、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えております。

