経営方針・経営戦略

経営方針

「既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指す」のビジョンのもと、景気動向に業績が左右されない銀行業、信用保証事業、債権買取回収事業を中核とする総合金融サービスを目指してまいります。収益モデルにつきましては、既存の事業ポートフォリオの価値や将来性を徹底的に見直すことにより収益構造の改善を図りつつ、上場企業として、現下の株式市場の動向を踏まえ株主価値の最大化を目指すべき好機を迎えているものと考えており、今後はこの方針を更に加速させ、聖域を設けることなく、事業ポートフォリオの価値を見直し、新たな成長戦略を構築することにより、株主価値の最大化に努めてまいります。さらには、コンプライアンスやガバナンスを第一に考えた経営を機軸におき、お客様に付加価値の高い金融サービスを提供するなど地域とともに共存共栄で発展していく企業体を目指してまいります。

中長期的な経営戦略および対処すべき課題

(日本金融事業)

信用保証業務では、既存の債務保証残高からの安定的な保証料収入をベースとして、アパートローン保証を中心とした収益構造から、不動産担保ローンやリバースモーゲージ型商品に対する保証事業、クラウドファンディングを活用した保証事業等、新商品の開発(多角化)を推進しております。アパートローン保証につきましては、サブリース案件など不動産業界で起きた問題を契機に新規実行は急激に減少し、今後、保証残高の増加は見込みづらい状況にありますが、アパートローンの保証残高は2020年12月末で155,061百万円と積みあがっており、今後も保証料収入は安定的に計上される予定です。また、入居率は問題以前とほぼ変わらず、現在まで保証履行も延滞もほとんど無い状態で推移しています。

債権回収業務では、全体の市場規模が縮小する中、債権購入価格の高騰が続いておりますが、金融機関等が実施するバルクセールにおいては、当社グループの過去の回収実績等により、高い利益率が見込まれるため、積極的に買取を進めてまいります。また、特に大型のカード債権は利益率が高く収益貢献を見込んでおります。今後も当社グループの高い回収力を背景として安定的・継続的な仕入れを実現し事業拡大を図ってまいります。日本金融事業における主要な課題、対策は以下のとおりです。

この図は横にスクロールしてご覧ください。

項目 課題 対策
不動産担保ローンに対する保証事業 金融機関と提携し、米国ハワイ州を中心とする不動産の購入者に対して銀行が円で融資を行い、その融資金額に対する保証を前年度から開始するも、コロナウイルス感染症の拡大に伴い海外渡航が制限されているなど制約が多く低調に推移 不動産担保ローンに対する資金需要は旺盛であり、2020年8月には、東急リゾート株式会社で販売している分譲型コンドミニアムホテルを担保に提携先金融機関が購入資金を融資する不動産担保ローンに対する保証を開始するなど、国内において保証残高の増加に努める
リバースモーゲージ型商品に対する保証事業 提携金融機関を拡大し、高齢者のお客様の資金需要に対応 2020年1月に川崎信用金庫と同金庫が取り扱うリバースモーゲージ型ローンに対する保証業務を開始するなど提携金融機関の順次拡大を図る
クラウドファンディングを活用した保証事業
  • 大手が参入しないニッチな分野をターゲットとして、クラウドファンディング(不動産特定共同事業法に基づくものも含む)等を活用した保証事業について、積極的に参入を検討
  • クラウドファンディング業者との連携強化
現在、以下のクラウドファンディング業者(注)と提携し、株式会社日本保証の債務保証を組み込んだファンドの共同組成に取り組んでおりますが、順調に募集実績を積み上げており、今後も収益基盤の強化に努める

(注)

提携先企業 運営会社 サイト名
Nexus Bank株式会社
(東証JASDAQ:4764)
SAMURAI証券株式会社 SAMURAI FUND
(クラウドファンディングサイト)
株式会社CAMPFIREグループ 株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL CAMPFIRE Owners
(融資型クラウドファンディングサービス)
株式会社財全グループ ソーシャルバンクZAIZEN株式会社 Pocket Funding
(融資型クラウドファンディングサービス)
株式会社ZUU
(東証マザーズ:4387)
株式会社COOL 及び株式会社COOL SERVICES cool
(貸付型クラウドファンディングサービス)
株式会社プロスペクト
(東証2部:3528)
株式会社グローベルス 大家.com
(不動産投資型クラウドファンディングサイト)

(韓国及びモンゴル金融事業)

韓国においては、総合金融サービスを展開する上でのインフラが整っており、JT親愛貯蓄銀行株式会社(以下、「JT親愛貯蓄銀行」という。)、JT貯蓄銀行株式会社(以下、「JT貯蓄銀行」という。)、JTキャピタル株式会社(以下、「JTキャピタル」という。)、TA資産管理貸付株式会社(以下、「TA資産管理」という。)の4社をそれぞれ有機的に展開させることにより、最大限のシナジー効果が得られるような事業展開を図っておりましたが、当期、事業ポートフォリオの価値の見直しをさらに加速させ、株主価値の最大化に努めるといった経営方針の一環としてJT親愛貯蓄銀行を株式交換により連結の範囲から除外いたしました。また、JT貯蓄銀行につきましても株式譲渡契約を締結したことにより連結の範囲から除外される見込みとなりました。売却資金につきましては、当社グループの事業再編に有効に活用していく所存であります。

また、韓国においては、毎年のように規制強化が繰り返されており、直近の動向では法定最高金利が2021年下半期より24.0%から20.0%に引き下げられる見込みであり、金融監督院は、2021年上半期中に法定最高金利引き下げに伴う対策法案を樹立する予定であります。また、新型コロナウイルス感染症の影響として、支払困難となった債務者に関する支援策が実施されており、2020年12月末現在で76億ウォンの債権が返済猶予中となっております(JT親愛貯蓄銀行除く3社合計)。

このような規制強化の中、韓国2社(JTキャピタル、TA資産管理)では目標として緩やかな成長をかかげ「量の成長」から「質の成長」を目指し、バランスの取れたRisk-Returnを目標に一定の資産規模を維持し、資産内容の質的な向上を追求してまいります。そのため個人信用貸付顧客の質的向上については、他社に先立ち中金利商品を主力として、徹底した顧客属性分析によりTargetを定め、Target顧客との安定的な関係を維持して行くための手法(Retentionマーケティング)を強化してまいります。また、Fintechを活用した審査システムを導入し、個人信用貸付の審査時間と費用を削減、継続的な審査基準のアップデートを行ってまいります。また、審査の基本に徹し、資金の必要性、担保の流動性を重視してまいります。さらに債権回収システムの強化にも努め、人員拡充や教育など量的拡大はもちろん、事前モニタリングや法的措置など能動的な債権回収活動を職員各人に意識付けてまいります。

債権回収業務におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年2月以降に延滞発生した債権は売却禁止となったため、これまで定期的に実施されていた債権売却は、より延滞状況が進んだ債権に限定され供給の絶対量が減少することが予想されるため、競争が激化し価格は高騰するものと予想しております。このため、TA資産管理では新たな債権の購入のタイミングが重要であるとともに、これまでに培った高い回収力と遵法性を背景に、市場としては未成熟な東南アジア市場に進出するなど事業拡大を図ってまいります。


(東南アジア金融事業)

東南アジア金融事業においては、グループ間で効果的なマーケティング戦略を展開し、ネットワークを活かした付加価値の高い金融サービスを提供することにより事業基盤の強化を図っております。新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制するための移動制限や、ソーシャルディスタンス(社会的距離)確保の影響が大きく、世界銀行の予測では2020年のインドネシアの経済成長はマイナス2.2%になるとされています。このような中、PT Bank JTrust Indonesia Tbk.(以下、「Jトラスト銀行インドネシア」という。)では、ローン残高の伸びは鈍化していますが、預金残高は各種キャンペーンの効果により増加し、流動性は改善されています。東南アジア金融事業における主要な課題、対策は以下のとおりです。

項目 課題 対策
債権の積み上げ 収益基盤の強化 ローン残高、社債残高の積み上げを図る
  • コマーシャル/SMEローンの増加PT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、「JTO」という。)、BPR(庶民銀行)との協業によるジョイントファイナンスの拡大
  • ジャパン/コリアデスクにおける日系/韓国系コミュニティへの営業推進
  • 社債、格付Aマイナス以上への投資、プライマリー市場への参加
自己資本の拡充 規制改正に伴い、OJK(インドネシア金融庁)が自己資本比率14.0%の達成を要求 劣後債の実行や、外部投資家等からの資金調達による対応を計画
流動性の確保
  • 債権の積み上げに対応する安定的な資金の確保
  • 新型コロナウイルス感染症の影響による想定外の流動性の不足への対応
  • 収益改善策としてCOF(調達金利)の低下
預金残高は各種キャンペーンの効果により増加し、流動性は改善。加えて、市中金利の低下や、高金利預金の継続抑制、個人向けモバイルバンキングシステムの稼働等によりCOFは低下
その他
  • P2P企業との連携
  • 資産の積み上げ
  • Fintech高金利商品の実行
  • 積極的な債権買取

また、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIAではJトラスト銀行インドネシアから移転されたNPL債権について、回収人員や法的回収人員(弁護士資格又は弁護士試験の合格者)の増員、鑑定評価士の採用、オートコールシステムの本格稼働等を行い、回収金額の最大化に向け尽力するとともに、他の金融機関等から別途NPL債権の買取を行い、請求債権残高の増加による収益の拡大を図ってまいります。さらにJTOでも、営業貸出金残高の増加に向けて、与信の厳格化を含む既存商品の強化、Fintech等新商品の開発、同業他社からの債権買取、提携ディーラー、仲介エージェントとの連携強化等を行ってまいります。

さらに、カンボジアでは、新型コロナウィルス感染症の影響は、他国に比べ落ち着いているものの、NBC(カンボジア国立銀行)による返済猶予等条件緩和の要請を受けております。現在、対象残高は減少しているものの貸倒引当金の増加等マイナス要因となっております。J Trust Royal Bank Plc.では、カンボジア国内の上位1%の企業と人口5%の富裕層を顧客対象とする戦略から、ターゲット市場を、市場規模が大きく、潜在成長力の大きい顧客層まで裾野を拡げていくリテール戦略に変更し事業規模の拡大を図っており、貸出金残高は、優良企業向け貸付を中心に順調に増加しておりますが、預金残高が対応していないことが課題となっております。今後、貸出金の中堅企業への展開や、各種キャンペーンの実施、政府系指定金融機関の指定、送金・小口金融機関との提携や預金レートの見直し等により預金残高の増加を図ってまいります。


(投資事業)

投資事業においては、Group Lease PCL(以下、「GL」という。)に対する債権回収に努めてまいります。2021年1月11日時点で、958,169.05シンガポールドル及び37,000,000米ドルの回収実績をあげており、今後も裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、回収強化を図ってまいります。なお、GLに対する債権につきましては、すでに全額引当を行っていることから、回収がなされる都度収益計上されます。

当社グループでは、当期に株式交換及び株式譲渡により売却した子会社の売却資金や、シンガポール共和国におけるGL関連裁判での勝訴判決の一部履行により受領した資金について、コロナ禍の影響が長引く可能性もある中、将来の事業再編を見据えて手元流動性を厚く持ちたいと考えており、今後、資金をどのように有効活用するかが課題となっております。次期におきましても事業ポートフォリオの見直しが求められる中、手元流動性についてさらに厚くなると考えており、売却資金の使途につきましては、株式交換で取得したNexus Bank株式会社の優先株式の現金化等のタイミングとあわせまして、様々な選択肢の中から最適な成長戦略を検討してまいりたいと考えております。