JTIIの新旧社長によるインタビュー記事がInfobank誌に掲載されました

2018年2月8日
Jトラスト株式会社

						

記者:Happy Fajrian

J Trust Investments IndonesiaのNPL管理の長い道のり J Trust Investments Indonesia(JTII)は、インドネシア初のサービサー会社になった。同社2015年にJトラストインドネシア銀行より不良債権(NPL、Non-Performing Loan)を譲受し、管理、回収を行っている。 JTIIが行っているNPLの回収、処理とはどのようなものなのか?2018年1月での帰任が決まっているJTII社長の及川壮美氏がインフォバンクに語ってくれた。インタビューには、及川氏の後任として今年2月に就任を予定している楠生佳彦氏も同席した。以下はまとめである: oikawa_kusubae 写真左:及川壮美氏;回収率を98.9%達成した 写真右:楠生佳彦氏;サービサーは経済にとって良いものである   - サービサーのビジネス運営はどのような状況でしょうか。 及川氏:サービサーはNPLを回収するビジネスを行う法律事務所とも言えるのです。日本では、このビジネスはかなり以前から行われていて、サービサー業界に対する法律もあります。サービサー業界に対する法律ができる前に、NPLに対する回収は、弁護士しかできませんでした。 - JTIIが行っているNPL回収の手法とはどのようなものですか。 及川氏:まず、法務の面で準備しなければなりません。我々は債務者へ、債権がJTIIに譲渡されたことを知らせます。そして、NPLのステータスを把握して、どんな状況にあるのか、何が問題になるのかを検討し、色分けをしていきます。その次に、担保のあるNPLはJTIIに名義変更を行い、それから、我々の権利を利用して最大限までこの担保で回収を実現するべく、請求の実行という段階に入ります。 請求を実行する時に、債務者の中には、任意で返済を続けている方も数名います。そして、支払えない場合は、我々の方から債務者が担保やその他の財産を売却することについて提案をしていきます。また、債務者は他の当事者に融資を求めることも可能ですが、債務者が一つ目、二つ目、三つ目の選択肢を実施できない、または非協力的である場合には次のプロセスに進めます。担保実行(競売で資産を売却すること)か本NPLを他者に譲渡するかのどちらかです。 - JTIIが譲受したのはNPLのみならず、代物弁済(AYDA)の物件と簿外のNPLも含めて、総計2.46兆ルピアですね。達成できた回収率はいくらですか。 楠生氏:ここでいう回収率は、Jトラスト銀行インドネシアよりNPLを購入した時の価格です。サービサーは、NPL元金の全額に対して請求することはあり得ません。サービサーの業績の指標は、その簿価をいかにして回収するかということですす。JTIIではNPL、AYDA、簿外債権を4.87千億ルピア(約47億円)という価格で譲受しました。 及川氏:今はJトラスト銀行のNPLを譲受した時から2年3ヵ月が経って、支払った簿価の98.9%を回収できました。 - インドネシアの国営銀行はサービサーを設立すると計画していますが、国営以外の銀行もその選択を行う可能性があると思いますか。 及川氏:私見では、サービサーまたはAMU会社が数社あることが非常に重要だと思います。銀行には、最も良い簿価をオファーする会社へNPLを譲渡する選択肢が発生するので有利です。もし、国営銀行以外の銀行がコンソーシアムを設立することになった場合、解決しなければならない問題がたくさんあると思いますし、政府のサポートも必要になると考えます。 楠生氏:日本や韓国における私の経験では、サービサーはNPLを回収するためには非常に必要性の高い存在です。サービサーの役割は、その国の経済にとってよい影響を与えています。   J TRUSTとCIMB NiagaのNPL処理方法   J Trust Investments IndonesiaとCIMBグループのAMUはインドネシアにおけるサービサーというビジネスモデルの先駆者となっている。サービサーというビジネスモデルはどのようなのか? Non-Performing Loan(NPL)ともいう不良債権を管理するために、銀行が実施できる方法は数多くある。インドネシアで進展している新しいNPLの管理方法は、NPLをあるAsset Management Unit(AMU、債権管理ユニット)会社へ譲渡することにより、銀行の財務諸表をクリーンにする方法である。J トラスト銀行インドネシアとCIMB Niaga銀行は、インドネシアにおけるAMUについてNPL管理の先駆者となっている。 J トラスト銀行インドネシアは、2015年6月に設立したPT. J Trust Investments Indonesia(JTII)を通じてNPLを管理している。JTIIは、ホールディング会社であるJトラストのグループ会社であり、日本に本社を有するJ Trust Co Ltd の子会社である。シンガポールに本社を有し、Jトラストグループのアジアでのビジネスの起点となるJ Trust Asiaも、JTIIの株式を所有している。 「日本ではこういうビジネスはかなり以前から行われている。日本のサービサー法に基づき、会社は、債権の回収代行を委託し、または他社へ譲渡することができる。我々はインドネシアにおけるサービサー業務の先駆者になりたい。」と先月インフォバンクにJTII社長の及川壮美氏は説明した。 JTIIのビジネスフォーカスは、J トラスト銀行インドネシアより購入したNPLを回収して管理することである。主な目的は、債権の担保となっている物件の任意売却、事業再生、そしてリースバックなどの固定資産の管理も含めて、あらゆる方法でNPLを回収することによって収益を引き上げることとなる。 J トラスト銀行インドネシアの2016年度の年次決算資料によると、JTIIは、2015年10月にJ トラスト銀行インドネシアの8.45 億ルピア(請求元金)のNPL債権を購入したが、J トラスト銀行インドネシアが売却したのはNPLのみならず、担保または1.03兆ルピアの代物弁済(AYDA)物件、1.43兆ルピア(請求元金)の償却済の不良債権も売却した。JTIIはこれら合計2.46兆ルピアの債権を 4.87千億ルピアの簿価(transfer price)、あるいはNPL元金の20%程度で購入した。 及川氏は、Jトラストグループのサービサー事業、インドネシアの他、韓国でも行われていると述べた。1債務者当たりの平均貸付額が100億ルピアでNPLのほとんどが担保付であるインドネシアと異なり、Jトラスト韓国のサービサーは無担保NPLの管理に集中し、1債務者当たりの平均貸付額は約6千万ルピアである。 Jトラスト韓国のサービサーでは、購入額の148.9%のNPL回収を実現しているが、インドネシアにおけるJTIIでは現在98.9%の回収率に留まっている。及川氏は、インドネシアより韓国の方が高い回収率を上げられる要因がいくつかあると語った。 まずは、担保が無いこと。請求方法のバリエーションが多く、無担保のNPLの方が容易に管理できる一方、有担保のNPL管理は、法的プロセスが多く、時間がかかるなどの理由が挙げられる。二つ目は、韓国の方が、譲渡価格が安く、具体的には韓国では元金の10%程度で購入できるが、これはインドネシアより約10%程度低い水準である。 三つ目は、回収活動における効率性であり、日本や韓国では迅速、安価に法的手続きが行える仕組みがある。裁判所の処理は非常に迅速で、判決も債権者にとって有利なものになる割合が高い。及川氏は、「インドネシアでの裁判処理は非常に時間も費用もかかる為、インドネシアでのビジネスが非常に難しいことは認めざるを得ない。」と述べた。 CIMB Niaga銀行も同様である。同行のNPLを購入したAMUは、マレーシアのCIMBグループの子会社である。CIMBのAMUはSoutheast Asia Special Asset Management(SEASAM)という。CIMBはSEASAMを2009年に設立した。社名の通り、SEASAMは東南アジアにあるCIMBグループ子会社の全てからNPLを購入し管理している。 「SEASAMは、マレーシア、そして東南アジア諸国にあるCIMBグループのNPLの管理を行っており、グループの価値を高めるために、CIMBグループの会社設立の際には根幹になっている」と、2009年11月にSEASAMを立ち上げたに、CIMBグループの代表執行役員のダトッ・スリ・ナジル・ラサック氏は語った。 SEASAMの設立後、当時の取得価格でRM 84億もの債権を購入、債務者数45,000件、東南アジアにおけるCIMBグループ子会社の遺産であるNPLを、簿価のRM 9.28億で譲受するというミッションであった。この債権譲渡により、CIMBグループのNPL比率は、2008年末の2.3%より、2009年末には2%に低下した。 SEASAMの最初のターゲットは、CIMB ThaiというタイにあるCIMBグループ子会社であった。その当時、CIMB ThaiのNPL比率は7.1%あったが、SEASAMにNPLを譲渡した後には2.5%に下がった。そして、2015年に、CIMB Niaga銀行というインドネシアにあるCIMBグループ子会社がターゲットなり、CIMB Niaga銀行はNPLを約2億米ドル(2.67兆ルピア)で譲渡した。 AMUのビジネスモデルは、まだインドネシアでは馴染みがない。単語的には、サービサーは「貸主名義で債権の返済を請求する機関」という意味である。 JTIIは日本よりビジネスモデルを導入した。日本では、サービサーというビジネスは1998年以来発展を続けており、その起点になったのはサービサー法が制定され、事業を行ううえでのルールが定められたことである。 日本にはAMU、いわゆるサービサー会社の設立条件の一つは、設立時資本金が5億円以上であり、営業を行うためには法務省の認可を取得しなければならない。法律が制定されてから10年目の2008年には、サービサー会社は100社となり、管理するNPLの請求額は238兆円、回収率は11.01%で、26.2兆円の市場となった。1990年の初めに不良債権問題を解決したアメリカにならい、日本でもサービサーというビジネスモデルを導入した。 インドネシアにはサービサーあるいはAMUを管理する特別な法律、規定は未だないが、これはAMUが投資管理会社と同様という考え方に基づくものである。インドネシアでは、AMUを設立する場合に銀行は同社の株式を20%以上保有することが禁止されているという金融庁の規定しか存在していない。 サービサーまたはAMU委託を通じて、NPLの管理、回収率を改善することができると考えられる。なぜなら、譲渡したNPLの回収率を最大限に高めることがAMUの目的であるからである。 国営銀行であるBank Rakyat Indonesia(BRI)では、2017年の第3四半期に6.1兆ルピアの簿外債権について51.43%である3.13兆ルピアを処理した。Bank Negara Indonesia(BNI)では、5.18兆ルピアの簿外債権の28.7%を処理、その金額は1.49兆ルピアにもおよぶ。AMUの設立により、銀行内で管理するよりも、NPLの回収率の達成を改善することができるはずだ。 oikawa_kusubae2 写真1:J トラスト銀行インドネシアよりJ Trust Investments Indonesiaが譲受した担保物件(住宅);現在17.2億ルピアで売出中である

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