Jトラスト代表取締役社長、藤澤信義インタビュー(一問一答)
「我々はマイクロファイナンス事業を通じて、農民や地域の方々の生活を豊かにするビジネスモデルに注力し、利益を生んでいく」

2017年11月17日
Jトラスト株式会社

						

現在アジア消費市場の人口は33億人いますが、この市場の潜在力についてどうお考えですか。

僕はアセアン市場の中でも日本、韓国、シンガポールにはチャンスがたくさんあると思います。日本は少子高齢化で人口が減ってきていますが、他の地域ではこれからどんどん人口も増えていくし、経済活性化もしていきます。経済が拡大していくと、インフラ整備(ハード及びソフト)も必要になり、さらにGDPも上がる。その結果、我々が投資している国は、そのような(人口増及び経済活性化)ボーナスから大きく利益を得ることができます。  

安倍陣営は東南アジアへの直接投資をTPPにより膨らませようとしていた。しかしながら、今年1月のアメリカトランプ大統領のTPP撤退宣言により、その希望はふさがれてしまった。藤澤さんは以前インタビューの中で「TPPはJトラストにとってポジティブなインパクトになる。TPPは“投資の自由化”を促すという側面もあるので、地域に関係なく投資機会が増える」と答えていたが、今は状況が一変したとお考えになっているかもしれない。現状をどのようなに見直していますか。さらに日本とJトラストにとって、今後どのような影響が出るとお考えになりますか。

前回、TPPが成立すると我々にとってプラスになるだろうと言いましたが、そのようなことは起こりませんでした。我々はどちらかというとミクロで勝負していく事業体なので、政治に左右されることはそんなにありません。 今後、安倍政権が海外投資を促進させ、それで直接的な利益を得るのは日本の古い歴史のある会社であって、我々のようなニュー・ジェネレーション・カンパニーは直接的な影響を受けないものだと思っています。我々はミクロ経済の中で良い時と悪い時と両方に対応できるような仕組みづくりをしているので、その状況によって違うやり方をしています。またアジア市場に進出する際には銀行とセットで必ず不良債権の会社を作ってきます。  

アジア地域の消費者が御社を選ぶ理由は何だと思いますか。

発展途上国の生活水準は先進国と比べてまだ差があります。インフラも十分には整っていません。他の銀行はインフラ産業を作ることにどんどん融資をして、事業を発展させています。しかし我々はそのあとのステージで直接消費者、現地の人々に融資をしています。これは殆ど大手の銀行はやらないと思うので、大手銀行と協力関係にはなったとしても、対抗することはないと思っています。 大手銀行はまず、現地のインフラや産業の育成で、企業へ一社当たり1,000万USドルとか1億USドルを融資しますが、我々がやるのは消費者一人当たり200USドルから300USドルの融資をします。農機具を買う方等へはもう少し融資額が高く、2万、3万USドルの融資が必要になると思います。現地企業以外で、1人当たり2万円、3万円を個人に融資する会社はないので、競合他社はいません。 また、Jトラスト銀行インドネシアではマイクロファイナンスだけでなく、1億円から5億円の、中小企業向け法人融資もしています。  

マイクロファイナンスというサービスを広げるためにどのような教育が必要ですか。

大きく分けて2つあります。一つはJTの韓国事業でもやっていますが、テレビやインターネットを使ったマスマーケティングをやっています。もう一つは田舎にいる地元の偉い人(村長さんなど)に直接会って、ドア・ツー・ドアで村の村長さんにアプローチをしています。 幸運なことにテクノロジーの発展で田舎地域の人々もスマホを持てるようになり、情報格差が無くなってきています。どこに住んでいるかにかかわらず、同じ情報量を手にすることができる。またダイレクトマーケティングをすることによって急速な勢いでお客さんを増やしています。 アセアン地域の中で、我々のビジネスモデルはアマゾンやアリババとやっていることはそんなに変わらないと思います。インドネシアは物流が整っていないので物流ネットワークを作ることでeコマースを立ち上げます。 そういう意味でいうと、我々は金融のネットワークで全国隅々まで網羅していこうとしています。銀行業務はお金の出し入れだけでなく、新たなサービスや、遠隔地にいるお客様にとって必要な資本の提供を可能にするため、AmazonとAlibabaのように電子商取引をするべきです。それらを活用して、遠隔地のお客様は必要としている商品を購入することが可能ですから。  

新商品を市場に提供するにあたり、どのようにビジネスモデルを作りかえて改善していきたいですか。

我々は個人にファイナンスを提供しているので、商品ではなくお金を提供することになります。インドネシアではマイクロファイナンス事業に注力することによって、人々が農機具や生活必需品などを購入することができます。我々は人々の生活の質を向上するために融資を行っております。 ある程度生活の質が向上すると、次は主要なもの以外の製品購入に対し、資金提供を行います。これは発展してきた国と同じパターンで進むと思います。その段階にたどり着いたら、消費者の様々な要望に応じるため、さらに融資ポートフォリオを拡大する必要があると思います。金融事業の運営は、基本的には金利収支を中心に考えますが、今の段階での我々の目標は、高い価値を持ち、将来的に市場(そして人々)と我々のビジネスが発展していくことが重要だと思っています。 宗教や国籍に関わらず、すべての人々は家族や親しい人の生活を豊かにすることを目指しており、我々はその人々の目標を達成させるためにサポートが出来ると思っております。そのような目標に注力することで、自然と、収益や利益を生むことができると思います。  

Jトラストの成長戦略と将来の見通しについて、ご意見をお聞かせください。

我々の本社は日本ですが、日本経済は鈍化しており、銀行業等の業績を圧迫しています。しかしながら、我々の中期経営計画は、アジアの国々で先ほど述べたビジネスモデルを展開しようとしていますし、将来的には我々の経験を生かして他の銀行さんの助けにもなれたら良いと思います。  

サービサー業でポテンシャルを感じる点は何ですか。

我々のサービサー業は実際成功しています。インドネシア政府から賞賛を頂いたビジネスモデルですし、インドネシアには存在しなかったビジネスでした。現段階ではアジア市場でのサービサーのやり方についてまだ勉強中ですが、不良化した債権を他行より購入して回収することも考えています。 言うまでもなくアセアンの国々の経済成長にかかっておりますし、成長段階の国々もまだまだあります。 日本では不良債権を購入し高い回収実績を上げています。大手銀行のサービサーを除いた状態で、市場をリードしていると思います。韓国でもまた、我々のサービサー事業は成功していると思います。  

アセアン地域に御社のビジネスモデルを広げるために、どんな戦略を持っていますか。またM&Aをお考えですか。

サービサーに関しては、我々はすでにインドネシアでサービサーを設立しました。自行の不良債権回収を進めており、他行から不良債権を購入する準備もしています。現地の債権市場で、経験と実績を持たない他社を買収しようとは思いません。現地の方たちと共に動くことが重要だと考えています。 現在の目標は、銀行とサービサーを新規市場で立ち上げることです。銀行に関しては、もしかしたら買収することも考えられますが、サービサービジネスは我々のビジネスモデルを実行するために自前で立ち上げたいと思います。  

Jトラストの今後の挑戦とチャンスは何だと思いますか。御社のビジネスに円高の影響はありますか。

円レートの変動はポジティブでもネガティブでもありません。円高になれば海外企業を買収しやすくなりますし、円安になれば我々の海外事業の追い風になります。我々がコントロールできない所ですので、市場と状況によって投資をしていくべきだと思います。 例えば、USドル、シンガポールドル、韓国のウォン等で資産を管理し、為替変動リスクを減らしています。 現在のニューヨーク取引所はグローバルレベルで見ても、パフォーマンスが高いです。しかしながらリーマンショックのようなことがまた起きないとは限らないと思います。次に来るかもしれない「ショック」を見据えて、今は大きな投資は得策ではないかもしれません。  

アジア市場に新規参入する会社にアドバイスをお願いします。

アジア市場で成功する企業もあれば失敗する企業もあると思いますが、他の人に任せずに、まずはCEOが先陣を切って乗り込むべきだと思います。  

将来、我々読者がJトラストに期待すべきことは何ですか。

東南アジアで銀行とサービサーをもっと設立していきます。そしてマイクロファイナンスのビジネスモデルを利用し、リテールファイナンスを広げ、人々を幸せにしていきたいです。我々の銀行は大多数の他行とは違う考えで運営されています。しかしながら、銀行業界は確立された世界ですので、差別化を図ることは簡単ではありません。2年後に大きく変わっているとは言い難いです。よって、目的意識を失わずに、こつこつ成長して行きます。   ※英語記事を日本語に翻訳したサマリーです。 掲載元:Growth Japan(英) http://www.growthjapan.com/news/nobuyoshi-fujisawa-president-ceo-president-j-trust/  

本件に関するお問い合わせ先

Jトラスト株式会社 広報・IR部門担当
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